本ページでは、第10章で紹介するGeminiのファインチューニングのセットアップ方法をキャプチャ付きで紹介します。

ファインチューニングの方法

Geminiのファインチューニングの方法は2種類あります。

①ブラウザ上でGeminiをファインチューニングする
②Google OAuthの認証を行い、コードベースでファインチューニングする

①の方法はファイルのダウンロードが必要ですが、比較的簡単にセットアップできます。まず、こちらでファインチューニングを試してみるのが良いと思います。

②の方法は、一度Google OAuthの認証を行えば便利な方法ですが、Google OAuthの認証が正直かなりややこしいです。

①ブラウザ上でGeminiをファインチューニングする

以下の6ステップでブラウザ上でGeminiをファインチューニングします。

①Geminiのファインチューニング用ページに移動する
②ファインチューニング用のデータを準備する
③ダウンロードしたデータをファインチューニング用にアップロード
④チューニングを設定し、チューニング実行
⑤チューニングしたモデルを取得
⑥Google Colabでチューニング済みモデルを使用する

以降では、各ステップを画像付きで解説します。

①Geminiのファインチューニング用ページに移動する

URL:https://aistudio.google.com/app/tune

Geminiのファインチューニング用ページに移動する

②ファインチューニング用のデータを準備する

以下にファインチューニング用のデータを準備してありますので、ダウンロードしてください。

gemini-fine-tuning-data.csvの中身

③ダウンロードしたデータをファインチューニング用にアップロード

3-1: インポートボタンをクリック

インポートボタンをクリック

3-2: アップロードボタンをクリックし、先ほどダウンロードしたファイルをアップロード

アップロードボタンをクリックし、先ほどダウンロードしたファイルをアップロード

3-3: データの読み込みを設定する

データの読み込みを設定する

3-4: インポートボタンをクリック

インポートボタンをクリック

3-5: 以下の画面が表示されたら、データインポートは完了です。

④チューニングを設定し、チューニング実行

4-1: モデル名を変更し、Advanced settingをクリック

4-2: モデル名をGemini-1.0-proに変更し、Advanced settingボタンをクリック

⑤チューニングしたモデルを取得

5-1: チューニングが終わるまで待つ

5-2: チューニングが終わったらクリック

5-3: Add API Accessボタンを押し、ファインチューニング済みモデルを使用可能にする

5-4: 取得済みAPIキーを選択、Grant Accessボタンをクリック

5-5: チューニング済みモデルのモデルIDをコピーする(後で使用します)

⑥Google Colabでチューニング済みモデルを使用する

6-1: 10章のGoogle Colabにアクセス。(URL: https://colab.research.google.com/drive/1IJqJ8-9BWMYkHO3s96fGJJ8kEsBrMd7_?usp=sharing

6-2: コードブロック#1-#4を実行する

6-3: コードブロック#11のモデル名をチューニング済みモデルID(先ほどコピーしたもの)に変更する

6-4: コードブロック#11-15までを実行する


②Google OAuthの認証を行い、コードベースでファインチューニングする

Google OAuthの認証は以下の6ステップです。

①Google公式チュートリアルにアクセス
②Google CloudでAPIを有効化
③OAuth同意画面を構成する
④デスクトップアプリケーションの認証情報を認可
⑤Google ColabでGoogle OAuthを認証する

以降では、各ステップを画像付きで解説します。

①Google公式チュートリアルにアクセス

Google公式チュートリアルにアクセスする。
Google OAuthの認証は、Googleの公式チュートリアルに則って行います。まず、以下のリンクからGoogle公式チュートリアルを開いてください。
URL:https://ai.google.dev/gemini-api/docs/oauth?hl=ja

以下のようなページが開きます。以降の手順はこの公式チュートリアルに基づいて作成されています。


②Google CloudでAPIを有効化

2-1: Google APIの有効化
『APIを有効にする』をクリック。


2-2: 利用規約に同意して続行
国が在住国になっていることを確認してください(日本在住の場合は日本)。利用規約を確認し、チェックを入れた後に『同意して続行』をクリックします。


2-3: サンプルプログラム用のプロジェクトを作成
『プロジェクトを作成』をクリックします。


2-4: 以下のような画面が開きます。



2-5: プロジェクト名には「LLM Sample」と入力し、場所は「組織なし」のまま、『作成』をクリックします。


2-6: プロジェクトを確認
『次へ』をクリックします。


2-7: APIを有効にする
『有効にする』をクリック


2-8: 有効化を確認
『有効にする』が灰色になり、右上の通知をクリックすると「次のサービスを有効にします」という通知が表示されます。これが確認できたら、APIが有効になっています。このページを閉じ、元のGoogle公式チュートリアルに戻ります。




③OAuth同意画面を構成する

3-1: OAuth同意画面の設定
Google公式チュートリアルに戻り、『OAuth同意画面に移動』をクリックします。


3-2: アプリのユーザータイプ(User Type)の 外部(External) を選択し、『作成』をクリックします。
*この画面は英語で表示されますが、以降の画面は日本語で表示されます。


3-3: アプリ登録フォームに入力
アプリ情報の「アプリ名」に「LLM Sample」、「ユーザーサポートメール」にご自身のメールアドレスを入力する。



3-4: スクロールし下部にある「デベロッパーの連絡先情報」を入力し、『保存して次へ』をクリック

3-5: スコープの設定をスキップする
スコープに関する設定画面に移りますが、特に設定する必要はありません。『保存して次へ』 をクリックします。


3-6: テストユーザーを追加する
『+ADD USERS』をクリックし、自分のメールアドレスを追加します。この後の認証に使用するため、ご自身の使用可能なメールアドレスを設定してください。



3-7: ご自身のメールアドレスを入力し、『追加』ボタンをクリックします。



3-8: メールアドレスが追加できているのを確認し、『保存して次へ』ボタンをクリックします。


3-9: アプリ登録の概要を確認
アプリ登録の概要が表示されます。確認し、もし変更がある場合は『編集』 をクリックします。アプリ登録に問題がなければ、スクロールして下部にある『BACK TO DASHBOARD』ボタンをクリックします。




3-10: 確認しGoogle公式チュートリアルに戻る
LLM Sampleという名前のページが表示されているのを確認できたら設定ができています。このページを閉じ、Google公式チュートリアルに戻ります。


④デスクトップアプリケーションの認証情報を認可

4-1: Google公式チュートリアルに戻り、『認証情報に移動』をクリックします。



4-2: [認証情報を作成] > [OAuth クライアント ID] をクリックします。


4-3: [アプリケーションの種類] > [デスクトップ アプリ] をクリックします。


4-4: [名前] フィールドに、認証情報の名前を入力します。この名前は Google Cloud コンソールにのみ表示されます。


4-5: [作成] をクリックします。[OAuth クライアントの作成] 画面に、新しいクライアント ID とクライアント シークレットが表示されます。ダウンロード ボタンをクリックして JSON ファイルを保存し、[OK] をクリックします。新しく作成された認証情報が [OAuth 2.0 クライアント ID] の下に表示されます。


4-6: 保存したJSON ファイルは client_secret_<identifier>.json として保存されます。名前を client_secret.json に変更してください。

⑤Google ColabでGoogle OAuthを認証する

5-1: Google Colaboratoryを開く

下記URLから、完成済みのコードが保存されているGoogle Colabにアクセスしてください。
URL: https://colab.research.google.com/drive/1IJqJ8-9BWMYkHO3s96fGJJ8kEsBrMd7_?usp=sharing

5-2: シークレットにJSONの中身をセット

シークレットをクリックし、JSONの中身をGoogle Colaboratory左メニューバーにある『シークレット』に登録してください。設定値は以下のように変更してください。
・ノートブックからのアクセス:オン
・名前: CLIENT_SECRET
・値:認証情報のJSONファイルの中身


5-3: 「#5. Google ColaboratoryでOAuthの認証情報を設定」を実行します。以下のような実行結果が表示されます。


5-4: 出力結果の2段目のコマンドをコピーします。


5-5: コピーしたコマンドをご自身のローカルPCのターミナルやPowerShellで実行します。



5-6: コマンドを実行すると、認証を進めるか確認されます。確認したら、「y」を入力します。

5-7: 「y」を入力するとブラウザで以下のようなページが立ち上がります。先ほどGoogle Cloudで使用したアカウントを選択します。

5-8: 続行ボタンを押します。


5-9: アクセスできる情報を選択し、続行ボタンをクリックします。


5-10: 認証が完了し、以下の画面に表示されます。



5-11: 先ほどのターミナル(もしくはPowerShell)に戻ると、Google Colabで認証するためのURLが出力されています。これをコピーします。


5-12: コピーしたURLをGoogle Colaboratoryに入力します。

5-13: これでGoogle OAuthの認証は完了です。以降のコードを実行するとファインチューニングが実行されます。